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2004.03.10

それぞれの人のコンピュータのルーツ

自分にとってもっとも最初に深くかかわったコンピュータを自分のコンピュータのルーツ(その後の人生を少なからず変えた)とすれば、TOWNSのような、いまだに語り継がれるマシンにかかわれた人々は、ある意味でちょっとうらやましい。

私の最初のPCは、ちょうど10年くらい前の富士通FMV DESKPOWERの最初の機種で、たしか”SE”とかいったと思う。記憶が定かでないというのは、このPCが自分のコンピュータのルーツではないということだ。

そこからさかのぼること20年、はじめてコンピュータにかかわったのは、IBM70シリーズ(IBM360シリーズの前)での大学の授業。当時、IBMの大型マシンを使っている大学はかなり限られており、恵まれた環境だったようだが、当時はコンピュータが大嫌いで単位を落としそうだった。
ということで、このIBM機もルーツではない。第一、触ることも許されなかったし。

自分にとってのコンピュータのルーツは、大学の研究室で出会った横河HPのミニコン「YHP21MX」。実験の測定用に改造して、まるで個人所有のように使っていた。その横河HPのミニコンは、3Bit1バイト(オクタル=8進数)で5バイトに、1Bitを加えた(合計16Bit)変わったもので、どこにも残っていないし(古すぎる!)、コンピュータの歴史の記録にも登場しない。(記録をご存知の方がいたらおしえてください)
制御用のコンピュータなのでいたしかたないとも思う。

そのミニコンでは、30Cm四方くらいのプリント基板に何十個もの黒いIC回路を半田付けしていろいろなインタフェース回路を制作した。それを動かすドライバソフトももちろん自作。

プリント基板は横河HPから入手できたが、IC回路(黒くて四角くて、足が16本、24本・・・とはえているやつ。ゲジゲジと呼んだりしていた)は、秋葉原にも種類が揃っていなかったので、当時、赤坂あたりにあった日本テキサスインスツルメント社を直接訪問してゲジゲジを分けてもらった。

小売店でもない日本TIの本社に行って、3個とか5個とかいう単位で、何十種類ものIC回路を分けてほしいなんていうんだから、今から考えると、若さというか世間知らずというか無謀というか、TI社は変な学生にさぞ面食らったことだろう。それでも、ぜんぜん叱られたりすることなく、大学の少ない予算で分けていただき、TI社は「いい会社だな」と思ったものだ。(ホントに感謝。いまさらですが)

これらのゲジゲジを使って、実験測定用の回路とドライバソフトをつくったり、TEACのカセット磁気テープ装置(TEAC-MT6)をI/Oデバイスにするために、インタフェースボードを作り、ドライバソフトをつくったり・・・ミニコンの内部はとんでもないことになって行った。
卒業して10年後くらいに研究室を訪問したら、そのミニコンも回路もまだ現役で働いていた。そういえば、どこかの企業から、この測定回路を購入したいとかいう「商談」みたいな申し入れもあった。その後、その商談はどうなったのか不明なのだが、当時は産学協同っていうのは少々風当たりがあった時代だった。

就職を目前にした学生としては、横河HP,TI社、TEACといった会社を勝手に気に入ってしまったのは言うまでもない。実験室にある横河の測定器の数々はいいようもなくかっこよかったのだ。

さて実際は、あるコンピュータメーカに就職させていただいたのだが、新入社員のコンピュータ研修で使った現役の大型コンピュータの入出力装置が紙テープや紙カードだったのには驚いた。「なんだ、カセット磁気テープ装置くらいないのか。俺が作ってやろうか」などと、相当生意気なことを思ったものだ。大先輩の皆様、ごめんなさい。
m(_ _)m

今の学生は、採用面接などをしても、礼儀ただしい人が多いが、時代が違うとはいえ、当時はけっこう生意気な学生が多くて、新人研修の間でさえこれくらいテンションを上げていないと、同期の連中に遅れをとりかねなかったのだ。(それでもかなり遅れたが・・・)。以来、コンピュータはハードづくりからソフトづくりを飛び越えて、いかに利用するかが主役になっていった。それはそれでいいのだが、別の次元で物づくりの楽しさは無条件に忘れられないものだ。

わたしにとってのコンピュータのルーツは横河HPのミニコンピュータ『YHP21MX』。そして今から思うと当時はかなり無謀だったようだ(今でもその片鱗があるのかも?)。

古河社長のTowns物語りに刺激されて、ずいぶん古いことを懐かしく思い出してしまった。やれやれ、こちらは紛れもなく、年をとった証拠なのだろう。


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コメント

こんにちは。
初めてのコンピュータつながりということで、トラックバックさせていただきました。何もかも自作と言うところに、大先輩を発見した気分で感激しております。また寄らせてください。

投稿: FFへんしゅ~ちょ | 2004.03.10 08:18

FFへんしゅ~ちょさん。TB、コメントありがとうございます。
大先輩・・・などと言われると、なんか恥ずかしいです。昔の論文を見返してみたら、細かな数式や回路図やプログラムがいっぱい書いてあって、全くチンプンカンプン。ホントに俺が書いたの?っていう感じです。(^^;
そういえば、解析プログラムの大きな行列計算は、さすがにミニコンでは歯が立たず、IBMの大型マシンで一晩かかったっけ。

投稿: Haruki | 2004.03.10 11:41

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