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2004.11.12

できる社員は「やり過ごす」

おそまきながら、高橋信夫著「できる社員はやり過ごす」(日経ビジネス文庫)を読んだ。

いろいろな企業の主任とか課長、部長といった立場の人への調査にもとづいて、日本企業でおこなわれている「やし過ごし」や「しりぬぐい」などが、日本企業を支えている・・・みたいなことから、功序列制や能力主義、成果主義などについて読みやすく書かれている。

企業というのは内情は千差万別だと思うので調査の偏りは差し引くとしても、全体的に「いえる」「ありそう」なことが多いと思う。

年功序列制、能力主義、成果主義、年俸制の導入から今日まで、まさに同じ時期を、担当、主任、総括主任、課長代理、課長、部長代理、担当部長、部長・・・・という立場を経験してきた人間としては、過去を振り返るという意味でもなかなかおもしろかった。

バブル前、バブル絶頂期、バブルの崩壊、長引く不況・・・・30代40代の働き盛りを、まぁなんとたいへんな時期にサラりーマンをやっていたことか。とにかく、「なにもしなくても環境は変化する」「なにもしないと変化に取り残される」ということを目の当たりに体験できたことはよかったと思う。

少し前は、「今の状態が永久ではない。だから・・・」みたいな感じで、あるときは説教し、あるときは励まし・・・みたことをしたが、現実がそう言わしめた面もある。それにしても、最近は同じ状態しか知らない世代が大手企業の中堅になっているので、説教も励ましもやりにくいかもしれない。

人事制度については、自分の評価というよりも(それもあるが)、現場でそれらの制度を具体的に適用する立場で、これまでの制度の変遷をすべて見てきた。これについて話し出したら止まらなくなりそうなので、持論はやめておこう。・・・いろいろあるし(^^;
それに、もはや人事制度で評価される立場でもない。(社長の評価は会社の業績!)

年功序列制や、能力主義、成果主義などの問題について、書かれている内容は実感として「その通り」だと思うことが多い。あえて言えば、こういう問題が起きている真っ只中に、こういう本が無いことが問題だ。(当たり前か?)でも、初版は1996年のようなので、かなり早いと思う。

現場のマネジャは1990年代のはじめの頃、「何とか主義」が導入された当初から、直感的に「うまくいかない!」「このままじゃおかしくなる!」という確信と危機感をもっていたことは事実だ。制度と現場の間で一番苦労したのは現場の管理職。

制度が適用されても、業務が「おかしくならないように」、この本でいう「しりぬぐい」で何とか成り立せていたのだ。現場の責任者は、新しい制度を成り立たせたいから苦労してがんばったのではなく、本来の業務の足をひっぱられたくない、業務が進まなくなるとこまるから、制度が進むようにがんばったのだ。

ところが、高い評価を得るのは往々にしてこのような不備な制度を作った人間なのだ。そして、現場でこういった制度について(本書で言うところの)「しりぬぐい」を、現場の管理職ができなくなった、しなくなった途端に、この制度は崩壊していくのだ・・・・あっ、しまった。つい口がすべった。

いつの時代もそうなのだと思うが、企業は軌道修正できる可能性があるが個人の人生はそうはいかない。まぁ、本の最後の方に書かれていたように、この失敗を繰り返さないように、こちらも「未来につなぐ」ということで良しとしよう。

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 (本書から抜粋)

 「歴史的絶望に支配されたシステムは、たとえそれが
  どんなに立派でうまく機能したとしても、
  未来の希望に導かれてつくられた稚拙なシステムにも
  優ることはできない。」
        (高橋信夫著「できる社員はやり過ごす」
          日経ビジネス文庫)より)

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コメント

トラックバックありがとうございます。
やはり経験豊富な方がみても、この本の内容は納得感が高いんですね。
成果主義や能力主義の間違いに気づいたとき、
軌道修正してくれればいいのですが
間違いをみて見ぬふりをしている組織も多いように感じます。。。

投稿: AKIIRA | 2004.11.16 19:42

>高橋信夫著「できる社員はやり過ごす」

 著者は「高橋伸夫」ではありませんか?

高橋信夫(著者とは無関係です:-)

投稿: のぶ | 2004.12.15 16:14

そうでした。間違えました。
ごめんなさい。m(_ _)m
正しくは高橋伸夫著「できる社員はやり過ごす」です。
記事を修正しようかと思ったのですが、
ここで訂正とお詫びをさせていただきます。
ご指摘ありがとうございました。

投稿: Haruki | 2004.12.16 00:02

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